- 結論
- 大麻税とは「大麻に超高額な税金」
- 大麻税によって大麻が「実質、違法」
- 大麻税は大物3人の利権が影響
元清水建設の社員、オランダ訪問、High Times cup(アメリカ)、420イベント(カナダ)、NORMAL(ニュージーランド)、ニンビン祭(オーストラリア)など、世界中の大麻イベントに参加、現在は南米から大麻を学んでいる麻生です。
こんにちは、麻生(あさお)です!
- 大麻税ってなに?何が、どうなったの?
- 大物3人と大麻って?
と考えている人は多いのではないでしょうか?
この記事では、大麻税について詳しく説明することで、大麻がどのようにしてハメられたのか、なぜ大麻が合法から違法になったのかを完全に理解できるようになります。
大麻税法とは?
大麻税法を簡単に言うと?
文字通り、大麻にかかる税金です。
私たちは消費税や所得税、住民税、酒税、タバコ税、自動車税など私たちは多くの税金を国に支払っています。
大麻税もこれらと同じような考え方で、大麻が新しい課税対象になりました。
なんだ、ただ大麻に税金がかかっただけか。
税金 |
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消費税 |
所得税 |
住民税 |
酒税 |
タバコ税 |
自動車税 |
大麻税 |
しかし、この税金に大きな問題がありました。
大麻税法を簡単に言うと、大麻に関する全ての事に超高額な税金をかけて、大麻を扱えなくしました。
大麻税から逮捕にする流れ
明日から、大麻買う時は税金払えよ!
高すぎて払えないっす。
はい、逮捕!
なんか遠回しだね。
こういった規制の背後には法的戦略がありました。
その目的は、大麻を違法にするのとは異なり、大麻に課税することは法廷で異議を申し立てにくくするためでした。
誰に対して大麻の規制があったの?
大麻税法の規制対象者とは?
アメリカで1937年8月2日に大麻税法が制定されました。
この法律により、下記の対象者に超高額の税金が課されました。
業者 | 医療専門家 |
輸入業者 | 医師 |
生産者 | 歯科医 |
製造業者 | 獣医 |
大麻税法の問題は、大麻税が非常に高く、一般生活から医学分野までを縛り、免除がほとんどありませんでした。
その結果、政府の思惑通り、大麻の取引に関するほとんどの人は税金を支払うことができないということでした。
大麻の税金が払えなから違法って、なんか変な感じ・・・
そして、大麻税法によって超高額の大麻税を支払わなかった人を犯罪者にしました。
つまり、1937年の大麻税法は全面的な大麻違法化への始まりでした。
税金って、1万円くらい?
大麻税ってそんなに高いの?
大麻税は大麻1オンス(28.3495g)あたり約1ドル、現在に関すると約18ドル(2,000円)課税しました。
当時、1930年のアメリカ人の月収が約100ドル(100円/月※当時のレート)です。ですので、給料の20%が大麻の税金です。
現在の価値に直すと、税金だけで6万円だよ。(※給料30万円で計算)
ちなみに1930年の日本では、大卒の初任給が月給73円の頃、大麻約30gに対して大麻税100円だったことをふまえると、当時の日本の給料では、大麻税すら払えません。
- 日本人の月収 73円
- 大麻税 100円
大麻税、高いどころじゃない・・・
- 【大麻税法とは?】のまとめ
- 大麻税法を簡単に言うと?
- 大麻にかかる税金
- 税金は超高額
- 大麻税法内容とは?
- 人々は税金を支払うことができない
- 大麻税を支払わなかった人を犯罪者
- 大麻税ってそんなに高いの?
- 給料の25%が大麻の税金
- 日本の大卒の初任給が月給73円、大麻約30gで大麻税100円
次は大麻税の罰則についてだよ。
大麻税法の罰則とは?
本当は、嗜好用大麻だけに課税するはずだったよ!
嗜好用大麻に課税
大麻の個人所有と販売は規制対象となりました。
当然ながら、嗜好用大麻としても高額な税金が課税されます。
明日から生レバーが食べれなくなる的な・・・
医療用大麻にも課税
医療用大麻として購入、販売、輸入、配布、栽培、処方した人は税金を払わなければなりませんでした。
もし、税金を支払わなかった場合、2,000ドル(現在の価値に換算すると約2000万円)以下の罰金または最長5年間の懲役、もしくは罰金と懲役の両方罰せられる可能性があります。
罰則の内容からわかるように、大麻税法は大麻への課税と規制を装って、大麻を実質上違法にすることが目的でした。
でしょうね!
政府は医療用大麻を違法にしていないと主張していました。しかし、医療大麻を扱う医師は、
- 大麻を処方する患者の名前と住所
- 関連するすべての医療情報
上記を連邦政府に報告する必要があるなど、非常に複雑なプロセスでした。
医療大麻の申請だけで、仕事量が膨大になってしまう・・・
また、この報告によって税金がすぐに支払われないと、医師と患者の両方が多額の罰金または懲役になってしまったのです。
この用にして、規制から実質、違法という流れに変えて行きました。
もう、医療大麻の取り扱いはやめておくよ・・・
産業用大麻にも課税
さらに、大麻税法は産業用大麻にも及びます。
大麻税法の規定の中には、輸入者に登録して年間24ドル(現在の価値で約50万円)の税金を支払うことを要求するものがありました。
麻は吸ってもハイにならないから、いいだろ!
大麻税法の印紙は各注文フォームに貼付されるなど、徹底的に管理されたので、大麻税の支払いから逃れることはできませんでした。
法律の規定が満たされない場合、大麻が積まれた貨物は
- 捜査
- 押収
- 没収
上記の対象になりました。
この法律に違反した場合、2,000ドル(現在の価値で約2000万円)以下の罰金または最長5年間の懲役、もしくは罰金と懲役の両方罰せられる可能性があります。
アホらしい!麻の製造やめるわ!
嗜好用大麻の使用のみを禁止したはずなのに!
原則として、大麻税法は娯楽用麻薬の使用のみを禁止しました。
しかし実際には、医療用大麻と産業用大麻は反大麻運動に巻き込まれ、大麻の科学的研究と医学的検査も事実上姿を消しました。
- 【大麻税法の罰則とは?】のまとめ
- 嗜好用大麻に課税
- 大麻の個人所有と販売は規制対象
- 医療用大麻にも課税
- 購入、販売、処方などした人は税金を払う
- 医師と患者の両方が多額の罰金または懲役
- 産業用大麻にも課税
- 輸入者は登録料、年間24ドル(現在の価値で約50万円)
- 違反者に(現在の価値で約2000万円)以下の罰金または最長5年間の懲役
- 嗜好用大麻の使用のみを禁止したはずなのに!
- 実際には、医療用大麻と産業用大麻は反大麻運動に巻き込まれた。
- 大麻の研究と医学的検査もダメ!
今まで合法だったのに、なんで急に違法になったの?
なんで大麻に超高額の税金(実質、違法)なの?
大麻税法(1937年)ができる前
アメリカの医師は片頭痛や月経前症候群などの症状を治療するために、1940年代まで大麻を処方していました。
知らない人も多いけど、大麻は昔から医療大麻として使われてたよ。
アメリカだけでなく世界中の国々で産業用大麻はもちろん、大麻は医療的効果があるとされており、1900年以前は大麻はとても好意的に見られていました。
- 嗜好用大麻・・・お酒みたいに、ただの娯楽
- 医療用大麻・・・痛みの軽減など
- 産業用大麻・・・日常生活品
産業用大麻は船のロープや衣類、新聞の繊維の代替品としても使われてたんじゃ。
このように、嗜好用大麻・医療用大麻・産業用大麻など使用用途は広く、愛されていた大麻だったのです。
大麻ってすごいよね!
しかし、1925年のジュネーブ国際阿片会議など、メキシコ移民がアメリカに移り住んで来た1900年以降に少しずつ大麻に風当たりがキツくなり始めました。
当時の連邦麻薬局長官のハリー・J・アンスリンガーは反大麻運動を活発に行いました。
そして、大麻税の法案の成立によって、先ほど説明した下記の規制がされました。
大麻の規制 |
---|
輸入 |
栽培 |
所持 |
流通 |
大麻を規制した理由は次だよ。
大麻税法が推進された背景は?
まず、これを知っておいて!
注目の的だった「スター、大麻」
当時は、すでに産業用大麻が盛んに行われていました。
現代のサラリーマンのように、当時の一般の人々は産業用大麻を生産する仕事をしていました。
さて、麻でも作るか・・
紙を作るためには、木材から得られるパルプと言う原材料が必要です。
同じ育成期間で比べた場合、産業用大麻は
- 木から摂取できるパルプ量の4〜5倍!
- 麻から紙を作ると価格は75%も減少!
普通に考えて麻を選択するよね。
大麻税法が推進された背景は?
「大麻税法がいきなり可決された」とは皆さんも思ってないはずです。
ブリって、仕事する人が減ったとか?
では、なぜ大麻税法が可決されるまでに至ったのでしょうか?
その背景をお伝えします。
簡単に結論から言うと、「大麻製品 vs 石油製品」の利権争いです。
よくわかんない・・・
利権争いは、次に紹介する大物3人が大きく影響してるよ。
鍵となる3人の大物
3人の大物は大麻の存在が邪魔と思っていた人物です。
それでは見ていきましょう。
- 一人目の大物「メロン銀行のメロン氏」
メロン銀行という名前の銀行をもつ、アンドリュー・ウィリアム・メロン氏は権力者で、下記のスペックです。
- 実業家
- 慈善家
- 美術品収集家
- 財務長官
メロン氏はあり余るお金を、石油製品を製造していたデュポン社に投資していました。
石油会社が儲かれば、ワシも儲かる!
デュポン社は、麻の植物油からセロハンが作られることを恐れていました。
メロン氏は産業用大麻が力をつけたことが怖かっただけでなく、このまま大麻産業が盛んになると同時に、石油産業の売上げが減少してしまいます。
アカン!絶対、大麻潰す!
実業家であり財務長官のメロン氏は全力で産業大麻を潰しにかかりました。
- 二人目の大物「新聞王ハースト氏」
ウィリアム・ランドルフ・ハースト氏は当時、新聞王と言われていました。
その後、新聞から雑誌に拡大し、世界最大の新聞・雑誌ビジネスを生み出しました。
ハースト氏のスペックは下記です。
- 実業家
- 最大の大手、新聞会社
- 政治家
メロン氏には劣りますが、ハースト氏は木材事業にも多額の投資をしていました。
木材会社が儲かれば、僕も儲かる!
麻が木より優れている理由は先ほど軽く触れましたが、具体的に言うと、
- 麻繊維の成長・・・6か月
- 同じ量の木材繊維の成長・・・3年以上
麻繊維は、ハーストの利益を減少させました。
大麻が邪魔。いい加減、怒りますよ?
- 三人目の大物「連邦麻薬局トップのアンスリンガー氏」
ここで、大麻税法を進めた張本人であるハリー・J・アンスリンガー氏の登場です。
アンスリンガー氏のスペックです。
- 元鉄道警察官
- 財務長官メロン氏の義理の甥
- 連邦麻薬局のトップ
メロン兄さん、大麻の首とりますわ!
アンスリンガーは新聞王ハースト氏と手を組み、大麻に関して虚偽や詐欺的な話で大衆を洗脳しました。
新聞に「大麻危険!」って毎日報道するよ!
- 【なんで大麻に超高額の税金(実質、違法)なの?】のまとめ
- 大麻税法(1937年)ができる前
- 大麻は愛されていた
- 嗜好用大麻・・・ただの娯楽
- 医療用大麻・・・痛みの軽減など
- 産業用大麻・・・日常生活品
- 大麻は愛されていた
- 大麻税法が推進された背景は?
- 注目の的だった「スター、大麻」
- 当時の一般の人々は産業用大麻を生産する仕事
- 木から摂取できるパルプ量の4〜5倍!
- 麻から紙を作ると価格は75%も減少!
- 大麻税法が推進された背景は?
- 「大麻製品 vs 石油製品」の利権争い
- 注目の的だった「スター、大麻」
- 鍵となる3人の大物
- メロン銀行のメロン氏
- 石油会社に投資
- 新聞王ハースト氏
- 木材会社に投資
- メロン氏の義理の甥、アンスリンガー氏
- 大麻税を推進した麻薬連邦局のトップ
- メロン銀行のメロン氏
次は、「この三人にどうやって大麻はハメられたのか?」です。
大麻が実質、違法になるまでの5つの動き
- 大麻が実質、違法になるまでの5つの動き
では、大物三人はどのようにして、大麻税法(実質、大麻違法)までこじつけたのでしょうか?
裏で、すごい絵図が描かれていたよ。
大麻が実質違法になるまでの5つの動き
4人に1人は仕事がない状況
1920-1933年まで続いたアルコール違法が終わった
これまでは、アルコールを取り締まって給料を得ていた連邦麻薬局
リーファーマッドネス
人種差別
超高額の税金で、実質大麻が違法になる
本当に大麻税法で逮捕された
5つの流れを軽く見ていこう。
時代は世界大恐慌
世界恐慌は、1929年にアメリカで株価が暴落したことをきっかけに起きた世界的不況です。
この大恐慌で失業と社会不安が起こり、失業者数は1933年に1283万人(24.9%)になり、個人所得、税収などは下落し人々は生活困難になりました。
- リストラ
- 金銭的不安
- 体力減少
- 自殺者増加
- 強奪
- 治安悪化
なんで俺がこんな目に!チッ!
アルコール禁止法の撤廃
少し驚くかもしれませんが、大麻と同様にアメリカではアルコールもかつては違法の扱いを受けてきました。
この政策も、政治的理由(ドイツ軍への差別)が原因でした。
この法律が撤廃されると、今までアルコールを違法として扱い目を光らせてきた連邦麻薬局の地位が落ち、資金が集まらなくなります。
それにより、部署閉鎖の危機になり、これまで連邦麻薬局で仕事をしていた多くの人が職を失う危機になりました。
俺様が失業とかあり得ないだろ!
大麻を悪者に仕立てるアンスリンガーの2つの手法
アンスリンガー氏は大麻の中毒は精神的な悪化を引き起こし、やがて犯罪や殺人に変わると述べています。
これにより、多くの人々は大麻は紙や合成繊維の安価な代替品ではなく、危険な薬物と言うイメージが定着していきました。
リーファーマッドネス
リーファーマッドネスを簡単に言うと、「大麻=極悪」という印象操作をするための映画です。
大麻を吸った後、ひき逃げ、過失致死、自殺などの凶悪犯罪を犯してしまうことを中心に展開する反大麻映画です。
大麻吸ったら悪人になるぞ!
人種差別
大恐慌を大麻使用しているメキシコ人のせいにし始めました。
大恐慌で不満がたまったアメリカ国民は印象操作「大恐慌=メキシコ人=大麻」の手に落ちていきました。
メキシコ人の不法入国で、アメリカ人の職がなくなっている!
そうだ!そうだ!
すごい、差別的な考え方の持ち主だね。
大麻税法可決へ
こういった政治的背景があり、フランクリン・ルーズベルト大統領は1937年8月2日に大麻税法に署名し、同法は同年10月1日に発効しました。
よし、明日から大麻を取り締まる仕事がある!あざっす!
言うまでもなく、大麻税法はアメリカ人を薬物依存症の発症から保護するのではなく、大麻を実質的に違法にすることによって、
- 石油製品の売上げを伸ばすため
- 連邦麻薬局を救うため
上記のために、作られたキャンペーンです。
売上げガッポ、ガッポ!
大麻税法を不審に感じた医師団体
大麻税法は嗜好用大麻だけではなく、麻繊維を製造していた農民や、人命を扱う医療大麻までも対象だったため、医師団体はこの法律に大反対していました。
1937年の大麻税法以前から、大麻には多くの医療効果があるとして医師だけでなく、一般人まで広く知れ渡っていました。
え、明日から医療大麻が使えないんですか?
もう決まったことだ!
大麻税法による初めての逮捕者
大麻税法が施行された直後、連邦麻薬局とコロラド州のデンバー市警察はモーゼス・バカ氏を大麻所持として、小規模ディーラーのサミュエル・コールドウェル氏を大麻販売したとして逮捕しました。
バカ氏(メキシコ系アメリカ人)とコールドウェル氏は、大麻所持・販売に対する有罪判決を受けた最初の逮捕者でした。
フォスターサイメス裁判官は、大麻税法に違反したとして、
- バカ氏・・・1年半
- コールドウェル氏・・・4年
を求刑しました。
- 【大麻が実質、違法になるまでの5つの動き】のまとめ
- 大麻が実質違法になるまでの5つの動き
- 裏で絵図が描かれていた
- 時代は世界大恐慌
- 4人に1人は仕事がない
- 生活困難
- アルコール禁止法の撤廃
- アルコール違法が終わる
- 連邦麻薬局の地位が落ち、資金が集まらなくなる
- 大麻を悪者に仕立てるアンスリンガーの手段
- リーファーマッドネス
- 反大麻映画
- 人種差別
- 大恐慌をメキシコ人のせいに
- リーファーマッドネス
- 大麻税法可決へ
- 超高額の税金で、実質大麻が違法になる
- 石油製品の売上げを伸ばすため
- 連邦麻薬局を救うため
- アメリカ医師会(AMA)は大麻税法に猛反対
- 超高額の税金で、実質大麻が違法になる
- 大麻税法による初めての逮捕者
- 本当に大麻税法で逮捕された
- モーゼス・バカ氏を大麻所持
- サミュエル・コールドウェル氏を大麻販売
- 本当に大麻税法で逮捕された
まとめだよ。
まとめ【ハメられた大麻!大麻税法とは?】
いかがだったでしょうか?
権力争いによって潰された大麻産業。
大麻のネガティブキャンペーンは70年近く続きました。
いつからか大麻は悪者にされてしまいましたが、その理由が明らかになったと思います。
世界中で解禁になりつつある大麻に一票!